心身の悩みがつきまとう

高齢化の影響で慢性的な人材不足がつづく介護業界。その中で、日々奮闘する介護士はどのような悩みを抱きやすいのかというとまず、身体の不調が生じやすいのは想像に難くありません。介護士は、文字通り体の不自由な高齢者のあらゆる介護を行う職業です。ベッドから車いすへの移動、排せつの介助、おむつ交換、入浴の介助など、毎日が重労働の連続です。これらの介護を行う際には、普段の生活とは違う身体の使い方をするため、介護初心者では特に腰痛に悩んでいることが多いのです。また、意外にも介護内容の記録作成などパソコン作業も多いため、肩こりに悩む介護士も少なくありません。

さらに、介護士は精神的なストレスを抱えやすい職業でもあります。どんなにモチベーションを持って職務に当たっても、介護行為自体が負担に感じてしまうことがあるのです。例えば、認知症の高齢者の介護では、排泄物で寝具や部屋のあらゆるところを汚してしまったり、急に怒り出してしまったりすることが少なくありません。そのような状況に冷静に対処し続けるには、かなりの忍耐力が必要となります。

このように職務だけでもこれだけのストレスが生じるにも関わらず、職場の対人関係で悩む介護士も多いです。介護の仕事は、他の介護スタッフや他職種のスタッフとも密に連携を取りながら行うという特徴があります。そうすることで高齢者の命を守り、提供するサービスの質が向上します。しかし一方では、あらゆる年齢、複数の職種のスタッフが集まると、様々な考え方の違いから対人関係が悪化しやすいという弊害も出てきます。悩みの尽きない介護士には、心身のタフさが求められるでしょう。